【TGS】東京ゲームショウ2025現地レポート【歴史の終わり】
2025.10.31
2025.10.31
ふじも:今回は、IDENCEがトレーラーを制作させていただいた、サンドボックス型ストラテジーRPG『歴史の終わり』特集回です!
さらに、先日開催された東京ゲームショウ2025※1 にもご招待いただいたので、イベント現地レポートなども挟みながら、トレーラームービーの制作を振り返っていきたいと思います。
ゲストは制作を担当した河野くんです、よろしくお願いします!
※1 アジアを代表する日本最大級のゲームイベント。国内外のメーカーやインディーが最新作・新技術を発表し、世界中から来場者・メディアが多く集まる。通称TGS。
河野:よろしくお願いします。
制作したトレーラーはこちら⬇️
プロフィール
河野峻典(こうのしゅんすけ):2002年生まれ。IDENCE初のインターン生。愛車はトヨタ MR2。
藤井桃子(ふじも):2000年生まれ。マネージャー。チョコレート好き。
目次
ふじも:では早速ですが、『歴史の終わり』というゲームがどんなものなのか、ざっくり説明を聞かせてください。
河野:『歴史の終わり』は、中世封建制がシミュレートされた広大なサンドボックスで自由にプレイしていき、世界に影響を与えるシミュレーションRPGゲームです。
よくあるゲームと違う点は、選択肢が無限にあるので、プレイする人によって唯一無二のストーリーになっていく可能性を秘めたゲームっていうところですね。
ふじも:なるほど、かなり自由度が高いゲームってことなんですね。
今年2025年12月に発売予定ということで、今注目の的みたいです。
現在無料で遊べるデモ版も配信中らしいので、ぜひみなさん遊んでみてください!
デモ版ダウンロードはこちらから🔽
ふじも:今回はかとりくと河野くんの制作チームで進めていたんですが、河野くんのやる気がすごくて、気づいたら重要部分までも自走してくれていたんですよね。
河野:最初はサポートのつもりだったんですけど、実際に手を動かして試してみるうちにアイデアがどんどん出てきて、気づいたら重要なパートまで任せてもらえるようになりました。
もちろんかとりくさんにもサポートしていただきながらですが、色々任せていただけて嬉しかったです。
ふじも:うんうん、ずっと楽しそうに制作していていいチームだったと思います。
続いて具体的な制作の裏話について聞いていきます!
ゲーム内分岐が無限にあるようなゲームってことですが、演出やどんな構成にするのかについては、どう決まっていったんですか?
河野:最初に、先方から映像の流れをまとめた字コンテをいただいて、それを踏まえて制作を進めていきました。
大まかな流れは決まっている状態で、どういう映像をつけていくかという部分から考えていくような感じでしたね。
ふじも:うんうん。
大まかに見せたい要素は決まっているところからスタートしたんですね。
河野:そこで問題になったのが、そもそもどうやって撮影しようかという話です。
ゲームをプレイしているところをそのまま画面収録するのか。
それとも、ゲームデータを提供していただいて、そのゲームデータの中にカメラを置いて撮影するのか。
1番最初はその2択のどちらを採るかで悩みました。
ふじも:あ〜なるほど。
難易度的には「ゲームデータの中にカメラを置いて撮影する」という後者の手法の方がハードル高いんだよね?
河野:そうですね。
ゲームデータはUnreal Engine※2 で作られているので、それを撮影用に微調整する必要があるんですよね。
なので、初めはダメ元でUnreal Engineを触ってみたんですが、意外といけそうだぞってことで、ゲームデータを調整して撮影することになりました。
※2 アメリカ合衆国のEpic Gamesより開発されたゲームエンジン
ふじも:初期段階では、限られたシーンだけUnreal Engineで撮影しようみたいな話もありましたよね?
河野:はい、当初は画面キャプチャとゲームデータ内の撮影を合わせ技で進める案もありました。
ふじも:最終的に全部Unreal Engineで撮影することになったっていうのは、その方がクオリティが出るからですか?
河野:そうです。
初めての試みだったので技術的にはすごく難しかったんですが、試しにゲームデータの中にカメラを入れ込んで撮影してみたら、めちゃくちゃいい映像が撮れるってことがわかってしまったので「もうやるしかない」ってなりました。笑
ふじも:あ〜なるほど。
難しいけど、その手法の方がクオリティが高いんですね。

ゲームデータ内にカメラを入れ込んで調整している様子
河野:何が難しいかっていうと、ゲーム用に作られてるデータを、撮影用に一部改変しないといけないっていう部分です。
具体的に言うと、例えばゲームの中だと天気も時間もランダムで変わっちゃったり、予期しないタイミングで戦闘シーンが起きちゃったりとか。
そういうランダム性を調整する必要があったので、任意の状態を固定するための設定がかなり大変でしたね。
ふじも:なるほど。
たしかに、言われてみればゲームだとそのランダム性がプラスに働くけど、トレーラーを作る上ではランダムだと困りますよね。
河野:草原を移動するシーンを撮影している時に、NPCに戦闘を仕掛けられてもう一度撮影し直すみたいなアクシデントはよくありましたね…。
ふじも:お疲れ様でした…。笑
データをセーブするのは、普通のゲームと同じようにやってたんですか?
河野:そうなんですけど、セーブ関係でもいくつか壁がありましたね。
戦闘シーンを撮影したいけど、戦闘中の状態のままセーブはできないんですよ。
ふじも:あー、なるほど。
戦闘が始まる前か終わった後かのどちらかの状態でしかセーブできないってことですか?
河野:そういうことです。
なので、Unreal Engineでプログラムの奥底にあるようなデータを書き換えて、無理やり戦闘状態でゲームをスタートするみたいな調整したりもしました。
ふじも:プログラムを書き換えた??
結構泥臭い作業があったんですね。
あと、ゲームデータにカメラを入れ込んで撮影したってことは、ゲームの中では遭遇しないカメラワークがトレーラーにはあるってこと?
河野:あ、そうです。
ゲームの画面って、基本的にはプレイヤーにカメラが追従するじゃないですか。
それだけだと、止まった状態のカメラワークとか作れなくて単調になってしまうので、ゲーム内にカメラを入れ込む手法で解決しました。

カメラアングル調整中の様子
ふじも:苦労したけど、その分カメラワークの自由度が増して、効果的な演出もできたってことですね。
河野:はい、苦労した分いいトレーラームービーができたんじゃないかなと思います。
あと、撮影する時に主人公キャラの名前を「カトリク」※3 にしてセーブしたせいで、そのデータがトレーラーの素材として使えなくなった話をずっとしたかったので、ここで話してもいいですか?
※3 IDENCEのCGチーフ 加藤陸(かとうりく)の愛称
ふじも:そんなことあったっけ?
河野:最初に主人公キャラクターの名前を登録するんですけど、最初のテストプレイで、うっかり名前を「カトリク」に設定して進めてしまって、そのセーブデータがその後も引き継がれてしまったんです。
いざ撮影しようとしたら、ゲーム中の台詞欄に表示されるプレイヤー名が全部「カトリク」になってしまっていて、そのデータが没になるという事件があったんですよ。
ふじも:なんて情けない失敗談なんだ……!
河野:そうなんです、反省しています……。
「本当に申し訳ないんですが、もう一度セーブデータいただけませんか」とお願いして、その際に戦闘シーンの迫力を増すために兵士の数をアップデートしていただいたりもしました。
ふじも:無事に納品完了している今だからできる振り返りですね。
「こんなこともあったな」っていう戒めとして胸に刻みましょう!
色々あったみたいですが、最終的にはゲームの魅力がよく伝わる、かっこいいトレーラーになってると思います!!
河野:このお仕事では僕自身がすごく楽しめましたし、当初は予定していなかった音楽制作を担当させていただけたのも嬉しかったです。

オリジナル曲制作中の画面
ふじも:あ、そうだったね。
映像を作っていくうちに「音楽もオリジナルで作りたい!」という話になったんですよね。
河野:突然オリジナル曲を提出したので、皆さんを驚かせてしまったかもしれないですが。笑
でも気に入っていただけて無事採用されたのでよかったです!
ふじも:では、いよいよ東京ゲームショウ2025のイベントレポートに移ります。
ビジネスデイにお邪魔させていただいたんですけど、出展者も来場者も皆さん楽しそうで活気があって、圧倒されました。
河野:平日の昼間なのに、幕張メッセの大きな会場がしっかり埋まってましたね。
ふじも:今回、『歴史の終わり』のパブリッシャーであるWorldMapさんはインディーズゲームのブースで出展されていて、トレーラームービー制作でお世話になったご担当者さんともお会いできてよかったです。

WorldMapのみなさんとIDENCEメンバーの集合写真
河野:パンフレットでも見開き1ページ使ってしっかり紹介されていたし、『歴史の終わり』をはじめ、WorldMapさんが販売されているゲームが実際に試遊できるコーナーもあって楽しかったです。
あと、トレーラームービーで登場したキャラクターが試遊させてもらった時に出てきて、ちょっと興奮しました。笑

『歴史の終わり』を試遊中の河野
ふじも:わかる。笑
トレーラーで見たキャラクターだ!ってなりました。
私たちがブースにお邪魔した短い時間の中でも、来場者さんが試遊されてたり、パンフレットチェックしていたり、インディーゲームと言ってもものすごく元気があるんだなと感じました。

パンフレットの『歴史の終わり』紹介ページ
河野:TGSにインディーゲームの枠で出展できるって、本当にすごいことなんですよ!
TGSの他に、東京インディーゲームサミット(通称TIGS)っていう、インディーゲームだけを集めたイベントがあるんです。
ふじも:そうなんだ!
知らなかった。
河野:結構コアなイベントなのであんまり知名度はないかもしれないです。
SFC※4 のゲームを制作するサークルは、TIGSには出展できたけど、TGSのインディーゲームブースには出れなかったみたいで。
TGSのインディーゲーム枠で参加できるっていうこと自体が本当にすごいです。
※4 慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパスのこと
ふじも:へ〜、TGSのほうが競争率が高かったりするのかな?
勉強になるいい話を聞きました、ありがたい。
河野:TGSは大手のゲーム会社が目立ちますけど、逆にインディーゲームコーナー目当てで行ってる人もいたりしますしね。
ふじも:私はゲームにすごく明るいわけではないけど、インディーゲームエリアにも「SNSで話題になってたから知ってる!」ってものもあった。
普段ゲームしてなくてもすごく楽しめました。
河野:そうですね。
マジで数えきれない数のブースがあって、みんなそれぞれ見たいところがばらけてたので、途中から別行動で自由に楽しませていただきました。笑
ふじも:WorldMapさん、ご招待いただき本当にありがとうございました!

TGS2025の様子
ふじも:ということで、『歴史の終わり』は今年の冬に発売予定ということなので、発売されたらぜひIDENCEでも買ってプレイしたいですね。
河野:やりたいですね。
Steamのゲームなので、パソコンさえあれば遊べますよ。
ふじも:パソコンをお持ちの方も、お持ちでない方も、皆さんぜひ遊んでみてください!
ふじも:最後に、今回のトレーラームービー制作はどうでしたか?
河野:自分が主体になって関わった案件は今回が初めてだったので、1つ形にできたのがまず嬉しいです!
やりがいもありましたし、僕がゲーム好きということもあって、すごく自分とシナジーがあったお仕事だったのかなと思いますね。
ふじも:うんうん。
大変そうな作業もあったと思うけど、それ以上に楽しそうにやってた印象が強いです。
河野:本当に楽しんでやり切れました!
YouTubeで公開されたトレーラーも、もう6000回以上再生されてますし、自分で言うのもなんですが、自慢したくなるような仕上がりにできたと思います。
ふじも:そうですね!
私も今から発売が待ち遠しいです。
では今回も最後までお読みいただきありがとうございました〜!